この夏読んだ本の感想

あまり読む時間はありませんでしたが・・・




私の好きな作詞家・売野雅勇さんの自伝エッセイ。
(とくに「2億4千万の瞳」と「め組のひと」が好きです)
歌手とのエピソードはあまり興味がないので、楽曲の誕生秘話を熱心に読んだ。
ちなみに渋谷のHMVで荻野目洋子氏と一緒にトークイベントをやっていた。
私はサイン会に行ったのだが、ほんの数秒でも売野さんと会話をすることができてとても嬉しかった。橋本愛の握手会のときくらい緊張した






日本政治の大転換: 「鉄とコメの同盟」から日本型自由主義へ

日本政治の大転換: 「鉄とコメの同盟」から日本型自由主義へ

大和朝廷から伊藤博文を通過して民主党政権まで行くのは面白い。
ただナショナリズムがメインの章はかなり書いてあることがおかしく(たとえば第一次安倍政権が参院選で敗北した理由の1つに保守的な政策を挙げている点)
イデオロギー先行なイメージを受けた。
実際、この本を読んでいた知り合い(別に右派ではない)も「おかしいね」と言っていた。







「イスラム国」最終戦争 (朝日新書)

「イスラム国」最終戦争 (朝日新書)

通称イスラム国に関する本は何冊か読んだが、この本はシリアに関する記述が他の書籍より充実している。
また、今年出版された本なので有志連合やロシア軍による「イスラム国」への空爆が成功しているという前提で書かれている。
(去年多く出版されたこの手の本では有志連合は「イスラム国」に手を焼いていると書かれている)
そのため、追い詰められた「イスラム国」が別の土地(たとえばリビア)に拠点を移すのではないかという分析がなされていて興味深い。







総理 (幻冬舎単行本)

総理 (幻冬舎単行本)

シンプルなタイトルにインパクトのある表紙。参院選直前に出版したこととあわせて、幻冬舎らしい本だと思った。
それにしてもこの記者(今はフリー)、驚くほどに安倍総理に密着している。
2014年の増税延期前後の動きなんて、あの田崎史郎を凌駕するレベルで感心したのだが、メディアと政治家の癒着を嫌う人が読むと不快に思うだろう。
安倍晋三がTBSの記者に気に入っている者がいるという事実は、あの上杉隆が「イチ・ロク・サンケイ」*1として「官邸崩壊」に書いていたから知っていたけど、どういう人物かは知らなかった。中川昭一の戒名を付ける作業にまで関与していたとは・・・
とはいえ安倍が復活するまでの話や財務省とのバトルのエピソードは面白い。一気に最後まで読み切った。





23区格差 (中公新書ラクレ 542)

23区格差 (中公新書ラクレ 542)

「ああ、きっと売れるだろうな・・」と思ったら案の定(東京だけかも)
前半は年収ランキングなどで、後半が23区それぞれの解説
ただし、「通信簿」としておきながら知名度順に並べただけなので注意
ちなみに私は江戸川区生まれなのだが、この本では江戸川区の世帯の構成を細かく分析している。
他の23区紹介本では江戸川区出生率の高さが軽く紹介されている程度だが、こっちは家族のデータと結びつけて分析されている。
いまだに売れてるみたいだが、これ都民以外の人が読んでも面白くないよね。




芸能人のスキャンダル本はよくコンビニに置いてあるが、474件も載せている本はなかなか無い。ちょっとした辞書みたいだ。
しかも日刊ゲンダイが書いているので容赦ない。笑えるものから悲しくなるものまで・・・





フジテレビはなぜ凋落したのか (新潮新書)

フジテレビはなぜ凋落したのか (新潮新書)

フジテレビの元社員が書いただけあって説得力がある。厳しい分析を展開しているが、やはり古巣への愛も文章から感じられる。
「内輪ネタはスタッフと視聴者の笑いのツボが一致しているときは良いけどそれがズレるとまったく笑えなくなる」的なことが書いてあって、これが一番納得。
内輪ネタそのものは悪くないのだ(笑)

*1:イチはNHKのこと