日本アカデミー賞ラスト予想 主演女優賞と助演男優賞が大激戦

最優秀作品賞



永遠の0      △
紙の月       ▼
蜩ノ記
ふしぎな岬の物語
小さいおうち




興行収入でも邦画界に大きく貢献した「永遠の0」が作品評価も高く優勢だが、
「右寄り」との批判もある。原作者・百田尚樹も良い悪いは別として、会員に悪影響を与える可能性がある。(そもそも映画業界は左派が多い)
そうなると「紙の月」が受賞するかもしれない。ただ、作品の評価は「永遠の0」に劣るし、監督の吉田大八がおととし「桐島、部活やめるってよ」で受賞しているのも不利になる。
「桐島〜」は日テレが関わっているものの、作品賞受賞は当時サプライズで、満場一致ではなかった。「また吉田に受賞させるのは御免だ」という嫉妬に近い感情を抱く会員がいてもおかしくない。
残りの3作品は受賞の可能性が低い。特に「ふしぎな岬の物語」は吉永小百合プロデューサーの力でノミネートを勝ち取ったという批判も出ている。







最優秀監督賞
山崎貴(永遠の0)  △
吉田大八(紙の月)  ▼
小泉堯史蜩ノ記
成島出(ふしぎな岬の物語)
本木克英(超高速!参勤交代




この部門の常連だった山田洋次が落選したのはちょっと驚いた。
山崎は「Stand by me ドラえもん」(アニメ部門にノミネート)と「寄生獣」(実写版)の監督でもあり、そのヒットと高評価も投票時に考慮されるだろう。
吉田は作品賞の所に記述した理由からやや劣勢か。










主演男優賞
岡田准一  (永遠の0) ○
役所広司  (蜩ノ記
中井貴一  (柘榴坂の仇討ち)
阿部寛   (ふしぎな岬の物語)
佐々木蔵之介超高速!参勤交代




史上はじめてジャニーズ事務所所属俳優のノミネートが解禁され、その岡田がかなり優勢。
ただ、ジャニーズに対する拒否感がある会員もいるはずで、絶対とは言えない。ただ、限りなく受賞に近い。
(もし違う人が受賞したら、それはそういうことだ)
役所と中井は何度も受賞しているし(役所は来年「日本のいちばん長い日」で有力)
阿部は助演ではないかとの指摘がある*1
佐々木に関しては下馬評を覆してのノミネートこそ勝利。










主演女優賞
宮沢りえ  (紙の月) ○
池脇千鶴  (そこのみにて、光輝く)△
安藤サクラ (0,5ミリ)      ▼
吉永小百合 (ふしぎな岬の物語) ▼
二階堂ふみ (私の男)
井上真央  (白雪姫殺人事件)



なぜか6人がノミネートされた。
去年夏までは吉永、秋の段階では宮沢が普通に受賞ではと言われていたが、ここにきて大混戦になっている。
池脇と安藤が予想を混乱させているのだ。
池脇の主演する「そこのみにて、光輝く」は批評家を中心に大絶賛だったのにも関わらず、作品賞・主演男優賞・助演男優賞で落選してしまった。
本家でもそうだが、こういう場合唯一のノミネート者に作品の支持票(軽視されたことへの怒り票)が集中する。池脇には想像以上の票が集まっているかもしれない。
安藤はどう考えても日アカ好みではないマイナー配給系映画からノミネートされた。これは彼女への支持の高さのあらわれでもあり、票が分散した場合相対的に浮上する可能性がある。
奥田瑛二安藤和津の娘というのも多少はプラス・・・・?









助演男優賞
笑福亭鶴瓶 (ふしぎな岬の物語) △
岡田准一  (蜩ノ記)      ▼
阿部寛 (柘榴坂の仇討ち)  ▼
三浦春馬  (永遠の0
伊藤英明  (WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜




大本命の池松壮亮がノミネートされず、岡田が主演・助演でダブル受賞の可能性がある。
ただ、それはやりすぎと思う会員も多いだろうし、「蜩ノ記」での岡田の演技は「永遠の0」のそれに比べるとだいぶインパクトが弱かった。
次に笑福亭だが、過去の映画でも演技は評価を受けており受賞してもおかしくない。ただ、やはり本業ではないという所に引っかかる会員は多いだろう。
大穴は阿部寛で、上記の理由から消去法的に選ばれるかもしれない。ただ、主演にもノミネートされているのはマイナスだ。







助演女優賞
小林聡美 (紙の月)    ○
黒木華  (小さいおうち) △
竹内結子 (ふしぎな岬の物語)
富司純子 (舞妓はレディ)
大島優子 (紙の月)



順当にいけば小林だが、大島との票割れが懸念材料。
黒木は高い評価だが、主演ではないかと思うし、キャリア的にも不利だ。






最優秀脚本賞
早船歌江子(紙の月)     △
 山崎貴・林民夫(永遠の0) ▼
加藤正人・安倍照雄(ふしぎな岬の物語)
平松恵美子山田洋次(小さいおうち)
土橋章宏超高速!参勤交代


毎年のことだが、今年はとくに原作あり脚本が多い。
それを否定するわけではないが、やっぱりオリジナル脚本が増えるべきだろう。
そういう意味では土橋(自身の小説を脚本化)に獲ってほしいが・・・。




最優秀外国語映画賞
ジャージー・ボーイズ  △
アナと雪の女王     ▼
フューリー
GODZILLA ゴジラ
インタースティラー



日本アカデミー賞は何かとおかしな選考が多いが、この部門だけは毎年しっかり選んでいるし、ユニークである。
今年も本家アカデミー賞が無視した「ジャージー・ボーイズ」「フューリー」「インタースティラー」をノミネートさせているし、しっかりアニメも入っている。
ここの会員はクリント・イーストウッド好きが多いようなのでジャージー・ボーイズがやや有利か。ただ、アナ雪を観た会員の方が多そうだし、そっちかもしれない。





最優秀アニメーション映画賞
思い出のマーニー    △
Stand by me ドラえもん ▼
ジョバンニの島
名探偵コナン 異次元の狙撃手
Buddha2 手塚治虫ブッダ-終わりなき旅-


ここも作品賞同様、もう少しマイナー系から選んであげたらと思うものの、だいたいいつもジブリが受賞するので今年はマーニーか。






以下のマイナー部門は、毎年作品賞と8割ほど比例していて面白くない。例えば撮影賞だったらカメラワークが綺麗だった映画に投票するとか、そうしてほしい。




最優秀音楽賞  佐藤直紀永遠の0)or久石譲(小さいおうち)
最優秀撮影賞  柴崎幸三(永遠の0)orシグママコト(紙の月)
最優秀照明賞  上田なりゆき(永遠の0)or西尾慶太(紙の月)
最優秀美術賞  出川三男・須江大介(小さいおうち)or上條安里(永遠の0
最優秀録音賞  藤本賢一(永遠の0・ふしぎな岬の物語)or矢野正人(蜩ノ記
最優秀編集賞  宮島竜治(永遠の0)佐藤崇(紙の月)

*1:笑福亭鶴瓶との競合を避けるために主演に回った